黒田官兵衛「半兵衛の恩」

黒田官兵衛「半兵衛の恩」

黒田官兵衛は切れ者の名を欲しいままにして筑前五十二万石の礎を築いた逸材だが、旧友荒木村重の叛乱では、使者として乗り込んだところ地下に幽閉されるという散々な目に合う。終生片足が不自由になってしまった本人も気の毒だが、これを敵に寝返ったと信長に疑われ、殺害されそうになった息子・長政の方もとんだ災難であった。この時、竹中半兵衛にかくまわれ長政は九死に一生を得る。黒田家はその恩を忘れず、半兵衛没後はその家紋を自らのものとして引き継いだという。